

女性がバストを大きくするのは、男性に気に入られるためなのか、自分自身のためなのかは、議論を呼ぶ問題だ。自己イメージは他人の評価と結び付いているので、その区別はむずかしい。女性は豊胸を自己イメージの問題で、女性としての自信をより高めたいからと解釈する傾向があるが、男性はそれを男性に気に入られるための特別な行為として見なしがちだ。例えば、ペンシルヴァニア大学の生物倫理学者、アーサー・キャプランは、自主的に選択できるほど女性は十分な情報をもっていないと論じた際に、「ボストン・グローブ」紙に彼が語ったのは次のような言葉だ。“私は女性の豊胸は男に気に入られるためだと思います。それは文化的なフェティシズムの対象なのです。アメリカ人男吐は女性の乳腺組織に明らかに魅了されています。私自身も大きなおっぱい派ですよ。文化によって形成された好みの問題ですから、事実上、女性にとって選択という言葉は全く意味がないのです。”
最近、首都圏を中心として行なわれたOLの意識調査で、全体の九五パーセントの女性が自分の顔やスタイルに不満を持ち、五五パーセントが安全性に問題がなければ美容外科手術を受けてみたいと考えている、というデータが出されました。美容外科の手術のなかでも関心が高いのは、二重まぶたの手術、脂肪吸引、そして豊胸です。そのいちばんの理由として、「やっぱり顔とスタイルがいいほうが得」なのだそうです。たしかに、最近当クリニックを訪れる女性たちは、一様に自分にポリシーを持ち、前向きに生きている方が多いのです。それだけ美容外科も、アメリカ並みに女性たちから認知されてきたということなのでしょう。知り合いのお嬢さんたちに話をうかがっても、「一生悩んで生きるよりも、さっさと手術してきれいになるんだったら、そのほうが有意義な人生を送れると思います」「美容整形をしたからきれいになってずるいとか、そんな偏見はまったくないです」「コンプレックスが克服されて毎日が楽しくて」そんな言葉が当たり前のように返ってくるようになりました。
エステティックサロンがどういう経過で発達(というか一般社会に普及)してきたのかを述べてみたいと思います。約二十年以上前には、日本には今日のようなエステティックサロンというものは存在していませんでした。それまでは、一部の化粧品メーカーなどが顧客のために美容をメインにした、いわゆるフェイシヤルサロンが銀座や渋谷にあるだけだったのと、怪しげな脱毛サロンがあっただけでした。今日のようなエステティックサロンが発生したきっかけは、いまは大手になっているエステ企業がアメリカから脱毛の機械を輸入して脱毛サロンとして出発したのがきっかけでした。そのころはまだ「脱毛サロン」とか、「脱毛センター」などと称して文字どおり脱毛しかやっていませんでした。それ以前でも、アメリカから輸入した機械を使って脱毛サロンをやっている会社はあったのですが、あくまでも個人商店のような感じで、会社組織として運営している会社はなかったのです。
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